blog

歯周病の原因とは?痛み・口臭がひどくなる前に治すべき

歯や歯ぐきの痛みや口臭に悩んでいませんか?

そのお口の痛みや口臭はもしかしたら歯周病が原因かもしれません。

歯周病ってどんな病気?

歯にこびりつく歯垢(プラーク)には、

たった1mgの中に10億もの細菌がいるといわれています。

まさに細菌のかたまりです。

その細菌の中に、むし歯や歯周病の原因菌がいるのです。

そのうち歯周炎を引き起こすのは空気を嫌う菌で、

歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットに潜んで歯ぐきにダメージを与え、

少しずつ歯を支える組織を破壊していきます。

歯ぐきがはれて口臭が気になる場合は、歯周病である可能性が高いといえます。

歯周病によって起こる口臭の原理としては、

歯周病の原因菌が活動を行う過程で代謝をすると

硫黄臭や生ごみ臭を発します。

専門的には、硫化水素やメチルメルカプタンといわれる臭いです。

口臭を改善するためには、歯周病菌を減らすということが効果的です。

【歯周病の重症度】

①歯肉炎

歯肉溝(仮性ポケット)の深さは2~3mm。

歯ぐきの縁が部分的に赤く腫れ炎症を起こしている。

自覚症状はほとんどない。

②軽度歯周炎

歯周ポケットの深さは2~4mm未満。

歯ぐきが赤く腫れ、触るとプヨプヨする。

歯ぐきからの出血しやすい状態が続く。

③中等度歯周炎

歯周ポケットの深さは4~6mm。

唾液中のカルシウムなどが歯垢に沈着し

石のような硬いもの(歯石)がこびりつくようになる。

歯ぐきが下がり、歯の根本が露出し始めるので

歯が長くなったように見える。

場合には、歯のグラつきや膿の排出や口臭も現れる。

④重度歯周炎

歯周ポケットの深さは6mm以上。

歯槽骨はほとんど破壊され、歯根がむき出しになる。

歯ぐきは腫れて痛み、やがて歯が抜け落ちる。

2016年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、

歯周ポケット4mm以上(中等度歯周炎)の人の割合は、

歳を重ねるにしたがって増加し、

4554歳では約半数の人が該当しています。

ここからわかるように

歯周病の初期は、痛みなどの自覚症状がないため、

症状が進行し、歯周ポケットが深くなって

痛みや口臭を感じてからはじめて気づくことが多いようです。

痛みや口臭があるときにはすでに軽度から中度の歯周炎になっているため、

自覚症状がないときから早期発見・早期治療をすることが大切です。

さらに症状が進行すればするほど、治療にかかる期間や費用が高くなります。

歯を失う原因の1位「歯周病」

年齢を重ねると歯は失われやすくなりますが、

歯を失う原因の第1位が「歯周病」であることをご存じでしたか?

実は、歯周病はギネスブックで「全世界で最も患者が多い病気」といわれています。

日本では、歯を失う原因の約66%が歯周病とう蝕(むし歯)です。

8020推進財団が行った「第2回 永久歯の抜歯原因調査(2018)」によると

第1位は歯周病で、37.1%、第2位はう蝕(むし歯)で29.2%、

第3位は歯の破折で17.8%という結果でした。

歯周病と全身の病気

歯周病は、歯を失う原因の第1位ですが

本当の怖さは、歯を失うリスクが高いだけではありません。

体のさまざまな病気に影響していることがわかってきています。

歯周病と全身の病気の関わりについてご紹介します。

◆糖尿病

歯周病になると分泌される炎症物質が

インスリンの働きを低下させ、血糖値が上がると言われています。

高血糖による血管のダメージで歯周病が悪化する悪循環も考えられます。

◆肥満

歯周病菌の毒素で肥満が進行するだけでなく

脂肪の増加で分泌されるアディポサイトカインが

歯周病を悪化させることがあります。

また、メタボリックシンドロームの発症が高まるといわれています。

※メタボリックシンドロームとは

内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることにより、

心臓病や脳卒中などになりやすい病態のことをいいます。

◆心疾患

歯周病による動脈硬化が、心臓の血管を詰まらせ

狭心症や心筋梗塞につながるとの報告が多くされています。

また、心臓の内膜に歯周病菌が付着すると、心内膜炎を引き起こし、

最悪の場合、命に関わることもあります。

◆骨粗しょう症

骨密度が低くなり骨がもろくなる病気で、特に閉経後の女性は注意が必要です。

歯周病の炎症性物質によって、歯だけでなく全身の骨の代謝に悪影響を与え、

骨粗しょう症を進行させてしまうことも。

また、もともと骨粗しょう症の人は歯を支える歯槽骨がもろく、

歯周病が進行しやすい特徴があります。

◆脳梗塞

脳の血管が詰まったり細くなったりして

血液がうまく通わなくなって脳が壊死してしまう病気です。

歯周病の人は、そうでない人と比較して、

脳梗塞になりやすいという報告があります。

◆認知症

歯周病による動脈硬化は、

脳血管性認知症の原因になる可能性があるとされています。

また、アメリカの研究では、歯周病とアルツハイマー型認知症との関連も示唆されています。

◆誤嚥性肺炎

歯周病菌の含まれた唾液が、食べ物と一緒に誤って気道に入ると、

誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなります。

特に嚥下障害のある人や飲み込む力が弱くなってしまった高齢者に起きやすく、

日本人の死因の第3位を占めている病気です。

◆関節リウマチ

手足の関節が腫れて、痛みやこわばりが生じる関節リウマチは、

歯周病と同様に、炎症性サイトカインとの関係性が示唆されています。

そのため、歯周病を治療するとリウマチの症状が軽くなることがあります。

◆低体重児出産・早産

妊娠中はホルモンの変化などにより、歯周病になりやすくなります。

歯周病になると分泌される炎症性物質が子宮の収縮を誘発してしまうことで、

早産や低体重児の出産につながることがあります。

あなたは大丈夫?歯周病セルフチェック

歯周病はひどくなるまで自覚症状が少なく、

沈黙の病気(サイレント・ディジーズ)と言われています。

自覚症状があり気づいたときにはかなり進行していることも…。

歯周病を予防するためには初期のサインを見逃さず、

早期発見・早期治療をすることが大切です。

□朝起きたときに口の中がネバネバする

□歯をみがくと歯ぐきから血が出る

□歯と歯の間に食べ物がはさまる

□歯ぐきの色が赤い、または赤黒い

□歯ぐきが痛んだり、ムズムズしたりする

□歯ぐきを押すと血や膿が出る

□歯がグラつく

□歯ぐきがやせてきた

□冷たいものが歯にしみる

□口臭が気になる

あなたはいくつ当てはまりましたか?

一つでも気になるときには早めの受診をおすすめします。

歯周病はセルフケアで防げる

全身の病気と深くかかわる歯周病は、

正しいセルフケアを行うことで改善できる可能性があります。

歯周病の原因となる歯垢の除去には、適切な歯みがきが不可欠です。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用して

みがき残しをなくしましょう。

しかし、自分ではきちんとみがいているつもりでも

間違ったみがきグセがついてしまっていて、

結果的にみがき残しがある場合も少なくありません。

歯科医院で自分の口腔内の状態にあった

みがき方の指導を受けて日々のセルフケアを続けていくことが大切です。

プロフェッショナルケアのすすめ

むし歯も歯周病も、予防と早期治療がポイント。

生涯にわたり、自分の歯で食べ、笑い、話すためには、

かかりつけ歯科医をもち、定期的にセルフチェックとアドバイスを受けて、

毎日継続したセルフケアが大切です。

また、歯科医院では、

毎日のブラッシングでは取り切れない汚れを清掃することができます。

プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(PMTC)とは、

歯科で専用の機器を使って行う専門的な歯と口の清掃です。

PMTCでは、先端にゴムがついた専用器具で歯や歯ぐきを傷つけることなく

歯磨きでは取り切れない歯垢や、

歯の表面にこびりついた菌のかたまり(バイオフィルム)を除去します。

PMTC後は、口の中がすっきりし、歯の表面もツルツルになります。

食事や喫煙などでついた着色汚れが落ちて

見た目も改善するなど様々なメリットがあります。

プロによる治療とケア、セルフケアの三本柱で、歯とお口の健康を守りましょう。

まとめ

歯周病は歯をなくす最大の原因であり、

全身の健康に影響を及ぼす恐ろしい病気であるとご紹介しました。

いつまでも健康に過ごすためにも、日頃からのセルフケアが大切です。

口腔内の異常に気が付いたら早めに歯科医院へ相談に行くようにしましょう。

なお「小伝馬町歯科・矯正歯科」では、

診療内容ごとにそれぞれの専門分野の歯科医師が担当し、

患者様に最適な治療とケアをご提供しております。

歯科治療では再治療が多く、

治療を重ねるごとに歯を失うリスクは高まってしまいます。

可能な限り患者さんご自身の歯を残す治療をしたいと考え、

当院の医院長は歯の保存の分野である歯内療法学分野の博士号を取得し、

臨床で1本でも多く歯を残す治療をしてきました。

当院で治療をされた方のお口の健康を生涯安定させるために、

定期的なメンテナンスにも力を入れております。

少しでも当院に通って良かったと思って頂けるようにしたいと考えております。

かかりつけ歯科をお探しの方は ぜひ「小伝馬町歯科・矯正歯科」へお気軽にご相談ください。

秋葉原総合歯科クリニック
野村 聖一院長監修
経歴

2008年3月 昭和大学歯学部歯学科卒業
2008年3月 第101回歯科医師国家試験合格
2009年3月 臨床研修修了(昭和大学歯科病院臨床研修プログラム)
2009年4月 三好デンタルクリニック勤務
2014年3月 日比谷通りスクエア歯科クリニック 院長
2018年8月 秋葉原総合歯科クリニック 院長就任

学会/認定医

日本口腔インプラント学会 会員
OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 会員
日本審美歯科学会 会員
DC21(Dental Concept 21) 会員
日本歯周病学会 会員
顎口腔学会 会員
日本矯正歯科学会 会員
ノーベルバイオケアメンターコース 修了
MICコース(インプラント) 修了
KIDSインプラントコース 修了
ARTコース(審美歯科治療) 修了
AIIコース(高難度インプラント治療) 修了
JIPI(歯周病治療)コース 修了