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インプラント治療を老後に受ける3つのデメリットと注意点

「老後は旅行にたくさん行って、全国の美味しいものを食べたい」「いつまでも口元を気にせずおしゃべりがしたい」

インプラントは老後の楽しみを考えると非常にメリットの大きい治療法ですが、歯茎に異物を埋め込むというイメージや、費用が高いイメージをお持ちの方も多く、興味はあっても治療に踏み切れないという声も聞かれます。

たしかに、インプラントは外科手術や治療後のメンテナンスが必要なので、従来の入れ歯やブリッジに比べて治療を受けるのは勇気がいることです。歯を失っていざ治療法を決めなければいけなくなったとき、インプラントを選ぶのはなかなか難しいことでしょう。

そこでこの記事では、インプラントはデメリットを差し引いてもおすすめできる治療法なのか、3つのデメリットから導き出します。注意点などについてもご紹介しますので、気になる方は最後まで読んでみてください。

老後に起こる可能性のある体のデメリット

インプラント 老後 デメリット

仕事や子育てに奮闘し、ひと段落してから迎える老後。どのような老後を迎えたいかと考えると、ほとんどの方が最後まで元気に過ごしたいと思われるのではないでしょうか。では、そのために必要なことはなんなのかというと、実は「自分の歯で噛めること」です。

人間は年齢を重ねるごとに、身体のさまざまな機能が衰えてきます。これは口の中に限ったことではありませんが、実は以下のような老後に起こる可能性のある身体のデメリットも、噛むことと関係しています。

  • 認知症になる
  • 歩行がうまくできない
  • 人と接することに気後れする
  • 見た目の老化が気になる

口の中でも、以前より咀嚼がうまくできない、食べられるものが限られてくるなどのデメリットも生じますが、歯を失うと見た目や身体の機能のどちらの老化も早めることになってしまうのです。

とくに気になるのが、認知症との関係です。歯を失うと噛む力が弱まり消化もしにくくなるため、食べられるものが限られてきます。すると栄養が偏り、脳へ十分な血液が送られなくなることで認知症のリスクも高まってしまうのです。

上記のことからも、しっかりと自分の歯で噛めることは、健康の維持につながることがおわかりいただけるのではないでしょうか。

インプラント治療を老後に受ける3つのデメリット

インプラント 老後 デメリット

インプラントは、顎の骨の成長が止まっている成人であれば、年齢制限なく受けられる治療です。

インプラントは顎の骨に支えられるため、入れ歯やブリッジのようにバネや橋をかける必要もなく、他の歯の負担になってしまうこともありません。さらに、噛んだときの感触や噛みごたえも自然な歯とほとんど変わらず、脳への刺激も強くなるなどのメリットがあります。

しかしインプラント治療は、歯科治療の中でも比較的複雑な治療です。そのため、とくに老後に受ける場合にはデメリットが発生する確率も高まります。

ここでは、インプラント治療を老後に受ける5つのデメリットについてご紹介します。

治療が受けられない場合もある

インプラント治療は、インプラントを固定するだけの骨がないと抜け落ちてしまうため、顎の骨が少なかったり厚みが足りなかったりすると治療を受けられません。また、高血圧や糖尿病などの疾患がある場合も、術中や術後のトラブルのリスクが高まるので、治療を受けられないことがあります。

歯科医院によっては、骨の量を増やす骨再生療法を行っているところもありますので、まずは事前に治療が受けられるかきちんと確認することが大切です。

さらに、外科手術が必要となることから、体力的に手術が難しい場合も治療を受けられない可能性があります。術後の通院を考えても、健康状態がよくなければ治療は厳しいでしょう。

保険適用内の治療と比べて費用や治療期間がかかる

入れ歯やブリッジは保険適用内のため、比較的費用をかけずに治療ができることをご存知の方も多いです。

その一方、インプラントは保険適用内のものより質もよく長持ちしますが、自費診療となるので治療にかかるすべての費用を患者さんが負担することになり、治療費が高額になります。

また、インプラント治療ではさまざまな段階を踏んで治療を進めていきます。とくに高齢の場合はインプラントと骨が結合しにくい可能性もあり、治療期間が長くなるケースも多いので、患者さんに身体的、精神的な負担がかかってしまうことにも注意が必要です。

メンテナンスが必要

インプラント治療は、自宅でのお手入れや歯科医院の定期検診を怠ってしまうと、インプラント周囲炎と呼ばれる疾患になる可能性やインプラントが脱落する可能性も高まるため、治療後の管理が非常に重要です。

ただし、これはインプラントだからお手入れをしなければいけないのかというと、そうではありません。

そもそも、年齢を重ねた方の口の中は、虫歯や歯周病などのリスクが高い傾向にあります。入れ歯やブリッジだけでなく、天然の歯であっても口の中を清潔にしておくことを忘れないようにしましょう。

インプラントはデメリットを差し引いても老後におすすめの歯科治療

インプラント 老後 デメリット

インプラントは、上記でご紹介したように老後に受けるにはデメリットも多い歯科治療です。そのため、インプラント治療を老後に行っても大丈夫かと心配になってしまった方もおられることでしょう。

しかしその一方で、咀嚼力を保つことで老後のデメリットをいくつも軽減できるなど、メリットが非常に多いのも事実であり、これから老後を過ごしていく方にとってはデメリットを差し引いてもおすすめしたい治療でもあります。

実はインプラントは、元気に老後を過ごすための準備にもなりますが、寝たきりになった際の要介護の現場でも扱いやすいものです。ただし、複雑な構造のインプラントでは介護者が問い扱いにくいこともあるため、老後の介護を考慮するとシンプルな構造のインプラントを選択することをおすすめします。

いずれにせよ、患者さんそれぞれの口の中の状況や持病、生活環境などをもとにメリットとデメリットをしっかりと比較した上で最適な治療を受けるようにしましょう。

インプラント治療を老後に受ける際の3つの注意点

インプラント 老後 デメリット

インプラントは、デメリットを考慮してもメリットの方が多い治療です。しかし、老後にインプラント治療を検討している場合は、これからご紹介する注意点をしっかりと理解しておくようにしましょう。

ここでは、インプラント治療を老後に受ける際の3つの注意点をご紹介します。

専門性の高い歯科医院を選ぶ

インプラントは、顎の骨にインプラントを直接埋め込むため、埋める場所の骨の密度や厚さによっては最初に骨を作る治療を行わなくてはいけません。そのために行う治療には、主に以下のような方法があります。

  • 再生誘導法(GBR法)
  • 上顎洞底挙上術(サイナスリフト・ソケットリフト)
  • 骨移植
  • 歯肉の移植

これらの治療は、専門性が高く行える歯科医院も限られてきます。歯周病などで歯茎が痩せてしまっている可能性のある方は、はじめからインプラント治療の専門性が高い歯科医院を選ぶようにしましょう。

日常生活で骨粗鬆症を予防する

骨粗鬆症とは、主に更年期以降の女性に多い、骨が脆くなる疾患です。骨粗鬆症の方は、抜歯などの外科処置に注意が必要だということを耳にしたことのある方もいるのではないでしょうか。

インプラント治療においても、骨粗鬆症の治療で「ビスホスホネート製剤」という薬を使用している場合は注意が必要となります。なぜなら、この薬剤は、骨を壊す細胞の働きを抑える作用があるからです。

骨を壊す細胞というのは、感染予防の役割も同時に担っており、その働きが抑制されてしまうと、細菌感染しやすくなってしまいます。とくに口の中は多くの細菌が住み着いており、感染リスクも高まるため、インプラント治療を希望しても受けられない可能性も出てきてしまうのです。

また、骨粗鬆症になると骨の密度も低くなり、通常よりも骨とインプラントを結合させるための期間を長く設けなければいけません。

骨粗鬆症でもインプラント治療が受けられないわけではありませんが、通常よりも治療が大変になってしまいます。現在骨粗鬆症ではない方も、日常生活の中でカルシウムを意識的に摂取し、日光浴やウォーキング、筋力トレーニングなどの運動を心がけ、骨粗鬆症の予防に努めるようにしましょう。

セルフケアをきちんと行う

上記でもご紹介したように、老後にインプラント治療を受ける場合はセルフケアをきちんと行うことが非常に重要です。

歯を磨く際は、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシや洗口剤などを使用して、口の中を清潔な状態にするよう心がけましょう。

また、患者さんの口の中の状態にもよりますが、歯科医院で年に2〜4回程度メンテナンスに通うことになります。その際に歯石やバイオフィルムの除去なども行いますので、必ずメンテナンスに通うようにしましょう。

まとめ

老後に起こる可能性のある体のデメリットや、インプラント治療を老後に受けるデメリットなどについてご紹介しました。

インプラントは、いつまでも健康で若々しく過ごすためにも、老後に有効な治療法です。たしかにいくつかデメリットもありますが、それ以上に老後のさまざまな心身のデメリットを軽減してくれます。

「歯はたくさんあるから1本や2本なくなったくらいで変わらない」と思われている方もいるようですが、それは大きな間違いです。歯を失ったらそのまま放置せず、早めに歯科医院へ相談に行くようにしましょう。

「小伝馬町歯科・矯正歯科」では、診療内容ごとにそれぞれの専門分野の歯科医師が担当し、患者様に最適な治療をご提供しております。

近年、歯科領域ではインプラントなどの外科的処置の精度だけでなく、高い安全性も求められるようになってきています。当院では、最新の歯科医療機器はもちろんのこと、滅菌処置についても万全の体制を整えておりますので、安心して治療を受けていただけるはずです。

老後にインプラント治療を検討されている方は、ぜひ「小伝馬町歯科・矯正歯科」へお気軽にご相談ください。

秋葉原総合歯科クリニック
野村 聖一院長監修
経歴

2008年3月 昭和大学歯学部歯学科卒業
2008年3月 第101回歯科医師国家試験合格
2009年3月 臨床研修修了(昭和大学歯科病院臨床研修プログラム)
2009年4月 三好デンタルクリニック勤務
2014年3月 日比谷通りスクエア歯科クリニック 院長
2018年8月 秋葉原総合歯科クリニック 院長就任

学会/認定医

日本口腔インプラント学会 会員
OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 会員
日本審美歯科学会 会員
DC21(Dental Concept 21) 会員
日本歯周病学会 会員
顎口腔学会 会員
日本矯正歯科学会 会員
ノーベルバイオケアメンターコース 修了
MICコース(インプラント) 修了
KIDSインプラントコース 修了
ARTコース(審美歯科治療) 修了
AIIコース(高難度インプラント治療) 修了
JIPI(歯周病治療)コース 修了