歯周病はうつる?予防策や早めに受診が必要な自覚症状

お口のトラブルのなかでも上位に入る「歯周病」。今や45歳以上の2人に1人が歯周病を患っているといわれるほど、私たちの身近にある代表的な歯科疾患です。

しかし、歯周病はどのようにして起こるのでしょうか?もしうつるとしたら、どのような経緯でうつるのか気になりますよね。

今回の記事では、歯周病はうつる病気なのかや、予防方法・受診すべき自覚症状について紹介します。「歯周病かも……」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

歯周病はうつる?

そもそも歯周病は、唾液に含まれる「歯周病菌」と呼ばれる原因菌に感染することで発症する疾患です。歯周病菌は唾液を介して感染するため、親子やパートナーなどの間で歯周病菌が移動してうつることがあります。

たとえば、お箸やスプーン・フォークなどの食器の共有や、キスなどによって歯周病菌が含まれた唾液が伝わると、歯周病に感染してしまうことがあります。

ただ、健康な人の唾液にも歯周病菌は含まれており、感染したからといって必ず発症するものではありません。

歯周病菌を保有していても、免疫力が高く口の中が衛生的に保てていれば、細菌の数が少なく発症しないまま過ごすことができるのです。

歯周病を予防するための対策とは?

先ほど紹介したように歯周病は唾液を介してうつるため、気をつけていても完全に防ぐのは難しいものです。そこで重要なのが、歯周病を予防することです。

歯周病を予防する方法はいくつかあるので、日常生活の中で意識的にプラークを溜めないようにしましょう。ここでは、歯周病の予防方法を5つ紹介します。

正しく丁寧にブラッシングをする

歯周病の原因菌は、歯と歯茎の境目で増殖します。そのため、歯周病菌を増やさない・溜め込まないようにするためにも、歯磨きなどのセルフケアは欠かせません。

歯ブラシを使った丁寧なブラッシングや、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って、歯垢を落としておきましょう。歯ブラシは毛先を「歯と歯の間」「歯と歯肉の間」にフィットするように当てて、小刻みに動かしながらブラッシングしていくのがコツです。

定期的に歯科検診を受ける

どんなに丁寧にブラッシングしても、歯垢は溜まるものです。定期的に歯科検診を受けて、お口の状態を確認しつつ、歯科医院でも歯垢を除去してもらいましょう。

歯科医院によっては唾液や細菌の検査が可能で、「歯周病になりやすいかどうか」を判別することもできます。

検査をするほどではなくても、1年に1回もしくは半年に1回のペースで検診を受けて、歯垢の除去と歯科医師によるチェックを受けるようにしてくださいね。

生活習慣を整える

生活習慣を整えることも、歯周病予防に大切なことです。とくに、生活習慣病の1つである「糖尿病」は歯周病と深く関わっており、お互いに悪影響を与える病気とされています。

その理由は、糖尿病になると血糖コントロール*が悪くなると、感染によるダメージを受けやすく、組織の修復も遅くなるからです。逆に、歯周病を放置すると糖尿病を引き起こしやすくなることがわかっています。(*血糖値を正常に維持すること)

ほかにも、夜更かしや昼夜逆転、運動不足、暴飲暴食などは、高血圧や脂質異常症など、さまざまな生活習慣病を引き起こしやすくなるので注意しましょう。

禁煙する

糖尿病と同じく歯周病のリスクを高めるのが、喫煙です。タバコには、人体に悪影響をおよぼす有害物質が数百以上も含まれています。

なかでも、ニコチンには血管を縮める作用があり、酸欠や栄養不足につながります。また、一酸化炭素には組織への酸素供給をさまたげる作用があり、傷を修復する組織の働きを阻害してしまいます。そのため、タバコを吸っている方は禁煙することで歯周病の予防につながります。

ストレスを溜めない

人は強いストレスを感じているとき、唾液の分泌量が減っているといわれています。唾液には歯周病菌をおさえる免疫物質が含まれていますが、唾液量が減ると歯周病が進行しやすくなってしまいます。

また、ストレスは自律神経のバランスを悪くし、免疫力を低下させます。そのため、ストレスを溜めないようにすることは、歯周病の予防にも効果的なのです。

手軽にできるストレス発散方法は下記のとおりです。

●日光浴
●軽い運動
●映画やドラマ鑑賞
●趣味を楽しむ
●好きな人と過ごす

自分自身をいたわる時間を意識的に作ってみてください!

歯周病の自覚症状とは?早めに受診が必要なケース

歯周病は自覚症状がないまま進行することも多く、「気づいたら悪化していた」というケースもめずらしくありません。

ただ、歯周病が進行しているサインはいくつかあり、早めに気づいてあげることが大切です。気づくのが早いほど悪化する前の対処が可能になるので、次のような症状が出ていれば、早めに歯科医師を受診しましょう!

歯肉(歯茎)の赤み

歯周病になると、歯肉と呼ばれる歯周組織(歯茎)が炎症をおこします。健康な歯肉はピンク色をしているのですが、歯周病で歯肉が炎症をおこすと赤く変化します。

ほかの原因によって歯肉に赤みが出ることもありますが、多くの場合は歯周病の初期症状によるものです。この段階では痛みを感じないことも多いですが、放置するとどんどん悪化するので、できるだけ早めに受診するようにしてくださいね。

歯肉(歯茎)の腫れ

歯肉の炎症が続くと、徐々に腫れてきます。歯茎が以前よりも柔らかく、ぶよぶよとした状態になっているのであれば、歯周病が原因の腫れと考えられます。

この段階になると、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」という溝が深くなりはじめます。歯周ポケットが深くなると、一般的な歯ブラシでは奥まで届かないので、早めに歯科医師の治療を受ける必要があります。

歯肉(歯茎)からの出血

歯ブラシに血がついている・うがいの時に血が混じっているなどの場合は、歯周病の可能性が高いので、すぐに歯科医師を受診しましょう。

また、普段は大丈夫でも、指で歯茎を押すと出血する・汁が出る、などの場合は歯周病が進行している可能性があります。

なかには、「血が出ているから触らない方が良い」と考える方もいるかもしれませんが、セルフケアや検診をおろそかにすると、さらに歯周病を悪化させてしまいます。

出血している場合には歯ブラシを「やわらかめ」に変えて、炎症している部分を優しくケアしてくださいね。もちろん、すぐに歯科医師を受診しましょう。

歯肉(歯茎)からの膿み

歯肉から膿みが出ている場合、歯周病が中程度まで進行している可能性が高いです。この段階では歯周ポケットが深くなっていると考えられ、プラークが溜まりやすい状況になっています。

歯周ポケットが深くなり、ポケットの中で細菌の繁殖が進んでしまうと、歯周病がどんどん悪化していくので注意が必要です。歯肉から膿みが出ていたり、独特の臭いがしたら、すぐに歯科医師を受診しましょう。

歯周病は進行を止めることや予防ができる病気です!


歯周病は「一度発症すると完治が難しい」といわれていますが、正確な治療とセルフケアによって、進行を止めたり悪化を防いだりすることが可能です。

もちろん歯周病にならないことがベストですが、歯周病菌の侵入を完璧に防ぐことは困難なもの。日々できることを意識して、歯周病を予防していきましょう。

上記で紹介したように、正しいセルフケアやブラッシング方法を取り入れてみたり、歯科医師の定期検診を忘れずに受けたりすることは、歯周病予防につながります。

また、歯並びが悪く歯ブラシが届きづらい場所がある方は、歯列矯正で歯並びを整えるのも1つの方法です。

歯周病予防や治療は『小伝馬町歯科・矯正歯科』へご相談ください

歯周病は誰でもかかる可能性のある病気ですが、正しく対処すれば自分の歯を守ることは十分可能です。そこで、歯周病を予防するためにも、信頼できる歯科医院を見つけておきましょう。

当院『小伝馬町歯科・矯正歯科』では、歯周病の治療はもちろん、定期検診や歯列矯正など、患者さまのお悩みにあわせた治療をおこなっています。

また、当院には大学病院所属の「歯周病専門」の歯科医師、歯周病学会認定が2名在籍しており、専門性が高く精密な歯周病治療を提供しています。

マイクロスコープや口腔内スキャナーなど、精密な治療を可能にする最新設備を整えておりますので、歯周病でお悩みの方もぜひご相談くださいね。

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