根管治療とは、虫歯が神経まで達して炎症を引き起こした場合に、おこなわれる治療です。
歯科医院では「根っこの治療」とも呼ばれています。
歯のトラブルの中でも、とくに根管治療は難易度が高い治療とされています。
根管治療の成功率は、なんと30~50%といわれるほどです。
本記事では、根管治療がなぜ難しいのか、そして成功させるためのポイントについて、根管治療の専門医が分かりやすく解説していきます。
根管治療が難しいといわれる理由は?
根管治療は、歯の内部にある神経や血管を除去し、歯根内部を消毒して封鎖するという高度な治療です。
この治療が難しいといわれる理由は、つぎのとおりです。
歯の根っこは細くて複雑だから
歯の根の内部(根管)は非常に細く、複雑な形状をしています。
とくに奥歯には、複数の根があり、さらにそれぞれが曲がっていることが多いです。
こうした複雑な形状のため、歯科医師は根管内を完全に清掃することが非常に難しくなります。
少しでも残ってしまった細菌や組織があると、再感染のリスクが高まるため、特別な技術と設備が必要です。
歯の内部は目視で確認が難しいから
根管治療は、歯の内部を治療するため、歯の外側からは目で確認することができません。
歯科医師は手探りで根管内の作業を行うことが多く、全ての部分を正確に処理するのは非常に難しいといえます。とくに歯の根が細く曲がっている場合、肉眼では確認できないため、精密な機器の助けが必要です。
再感染のリスクが高まるから
根管治療で最も避けたいことの1つは「再感染」です。
初回の治療で適切な処置がおこなわれない場合、治療後に歯根内部で再び感染が起こります。
とくに、根管内の清掃や消毒が不完全だと、細菌が残ってしまい、後々再感染を引き起こす可能性が高いでしょう。
また、根の封鎖が不完全な場合も、外部から細菌が侵入するリスクが高まります。この再感染リスクが、根管治療の難しさをさらに増す要因の一つです。
根管治療の再治療では、歯が弱くなっていたり、感染が歯の周りの組織に広がっていたりする可能性があるため、初回の治療よりも成功率が低下するといわれています。さらに、歯の寿命を縮めかねません。
根管治療がより難しいケース
根管治療が難しいとされるケースには、いくつかの典型的なパターンがあります。
奥歯の場合
奥歯は、前歯や小臼歯に比べて複雑な根を持つため、根管治療が特に難しい部位です。
奥歯には複数の根があり、それぞれが曲がっていたり、分岐していたりします。
さらに、奥歯は噛み合わせの力が強いため、治療後の耐久性も重要です。これらの要因が重なることで、奥歯の根管治療は、他の歯に比べて非常に難易度が高いものとなります。
歯の根っこが短くなっている場合
歯根吸収(しこんきゅうしゅう)と呼ばれる、歯の根っこが短くなっている場合も、根管治療が難しくなります。
たとえば、外傷や過去の治療によって根が短くなっていると、根管内の処理が難しくなり、再感染のリスクも高まります。
このようなケースでは、専門的な技術と慎重な治療が必要です。
再治療となる場合
前述したとおり、1度根管治療を受けた歯が再感染し、再度治療が必要になる場合、治療はさらに難しくなります。
初回の治療で完全に細菌を除去できなかった場合、根管内に残った細菌が原因で再度炎症を引き起こすことがあります。
再治療では、元の詰め物を取り除きながら、感染を完全に取り除く必要があるため、より高い技術が必要です。
難しい根管治療を成功させるための4つのポイント!
難しい根管治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、根管治療を成功させるための4つのポイントを紹介します。
専門医が在籍している歯科医院を選ぶ
根管治療は高度な技術を必要とするため、専門医が在籍している歯科医院を選ぶことが非常に重要です。
たとえば、小伝馬町歯科・矯正歯科には、全国的にも数少ない歯内療法(根幹治療)専門医が在籍しております。
歯内療法専門機関で豊富な経験を積んできているため、大学病院レベルの質の高い治療が可能です。
くわえて自由診療を選択すれば、保険診療と違って時間やコストを惜しまず、専門医が治療をおこなえるため、より成功率が高まります。
歯科用CTを使える歯科医院を選ぶ
根管治療の精度を上げるためには、歯科用CTの使用が不可欠です。
CTスキャンにより、歯の内部を三次元で詳細に把握でき、根の曲がりや分岐なども確認できます。
これにより、根管の完全な清掃が可能となり、治療の成功率が大幅に向上します。
小伝馬町歯科・矯正歯科では、歯科用CTによる正確な診断をおこない、患者さまにとって最善の治療計画をご提案しています。
マイクロスコープを導入している歯科医院を選ぶ
目視で確認が難しい根管治療も、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使用することで、治療の精度が飛躍的に向上します。
マイクロスコープは、歯の内部を大幅に拡大して確認できるため、肉眼では見えない細かな部分までの処置が可能です。
とくに細かい根管の内部を処理する際には、マイクロスコープの有無が治療の成否を左右する重要な要素となります。
小伝馬町歯科・矯正歯科では、必要に応じてマイクロスコープを使い、歯の内部を20倍以上に拡大して確認しながら、見逃しのない精密な治療をおこなっています。
ラバーダム防湿を徹底している歯科医院を選ぶ
根管治療中は、唾液や細菌が歯に侵入しないようにする、「ラバーダム」と呼ばれるゴム製のシートを使用することが重要です。
ラバーダム防湿を徹底することで、根管内の無菌状態を保ち、再感染のリスクを大幅に減少させます。
自由診療の歯科医院では、こうした防湿処置がおこなわれ、成功率の高い治療が期待できます。
小伝馬町歯科・矯正歯科でも、ラバーダム防湿を使用し、感染対策をおこなっています。
できる限り、無菌的な環境で治療をおこなうことで、治療の成功率を高め、再発リスクを防止します。
自由診療で根管治療をおこなうメリット:保険診療との違い
根管治療には保険診療と自由診療の選択肢がありますが、自由診療には以下のようなメリットがあります。
使用する材料や設備の違い
自由診療では、保険適用外の高品質な材料を使用できるため、耐久性や審美性が向上するのがメリットです。
また、最新の技術や機器を使用した治療が可能となり、より精密で成功率の高い治療が受けられます。
時間や治療の柔軟性
保険診療では治療にかける時間が制限されることが多いですが、自由診療では十分な時間をかけて丁寧に治療を進めることができます。
これにより、患者一人ひとりに最適な治療を提供することが可能です。
根管治療後のケアとフォローアップ
根管治療が成功した後も、適切なアフターケアが重要です。
まずは、毎日の歯磨きやフロスを使って、しっかりと口内を清潔に保つことが大切です。
また、定期的な歯科検診を受けることで、歯の状態をチェックし、早期に問題を発見することができます。
とくに治療後の数ヶ月間は、治療部位がしっかりと回復するまでのケアが重要です。
当院では、ブラッシング指導や、歯や歯の根に付着した歯石や歯垢を取り除くための治療、『スケーリング・ルートプレーニング(SRP)』を実施しており、治療後も良好な状態を維持できるようにしています。
根管治療は専門医が在籍している小伝馬町歯科・矯正歯科まで!
根管治療が難しい理由や、自由診療のメリットなどを解説してきました。
根管治療は確かに難しい治療ですが、適切な設備と経験豊富な専門医による治療を選ぶことで、成功率を大幅に上げることができます。
小伝馬町歯科・矯正歯科では、最新の技術と高度な治療を提供しており、患者様一人ひとりに合った最適な治療を行っています。
全国でも希少な歯内療法(根管治療)の専門医が在籍しており、最新機器や設備を活用しながら、成功率の高い高品質な治療を提供しています。
根管治療に不安を抱えている方や、過去に治療が失敗した経験がある方は、ぜひ当院までご相談ください。