日本人が歯を失うもっとも多い原因といわれている歯周病は、自覚がない状態で進行することも少なくありません。
そのため、歯科医師での定期検診で指摘されて初めて自覚する方もいれば、症状がひどくなってから気付く方もいます。
歯周病になる原因はさまざまですが、生活習慣やクセなどによって歯周病になりやすい特徴をもつ人もいます。
本記事では、歯周病になりやすい人の特徴や放置することのリスク、予防方法をご紹介します。
歯周病になりやすい人の特徴とは?
歯周病になる原因は1つだけとは限らず、複数の要素から発症する方も多くいます。
これから紹介する特徴に当てはまる数が多いほど、歯周病を発症するリスクが高まりますので、該当する項目がないかチェックしてみてください。
◆正しく歯みがきができていない人
歯磨きが正しくできていないと、歯垢(プラーク)が溜まってしまいます。歯垢は白や黄色のネバネバしたもので、細菌がかたまって付着しているものです。
毎日、磨き残しがないように丁寧に歯を磨いていると歯垢はたまりづらく、歯周病にもなりにくいですが、「寝る前に歯みがきをしない」「歯みがきが苦手」という人は、歯垢が溜まりやすい傾向にあります。
口の中の細菌が増えるほど歯周病のリスクは高まりますので、夜の歯みがきは欠かさずおこない、丁寧なブラッシングを心がけることが大切です。
◆タバコを吸う習慣がある人
タバコを吸う習慣がある人(喫煙者)も、歯周病になりやすいといわれています。
その理由は、タバコに含まれる成分にあります。タバコの煙には、人体に有害なニコチンなどの化学物質が数百種以上も含まれるといわれています。
タバコの煙が体に及ぼす悪影響の一例を以下に挙げてみました。
● 血管を縮めて「酸欠状態」を引き起こす
● 自己免疫を低下させる
● 唾液の分泌をおさえて歯垢(プラーク)を付着しやすくさせる
このように、本来自分がもっているはずの免疫力が弱まると、歯周病の原因となる細菌にも感染しやすくなってしまうのです。
◆歯並びに問題がある人
「歯と歯が重なっている」、「隣の歯と段差がある」など、歯並びに問題がある人は歯周病になりやすいので注意しましょう。
たとえば、歯が重なっている部分は歯みがきの際に磨き残しやすく、歯垢が溜まりやすい場所です。歯垢は時間が経って石灰化すると「歯石」となり、石のような塊へと変化します。
歯石は表面が凸凹になっているため歯垢がさらに溜まりやすい状況を作り出し、歯周病の原因となる細菌が口の中に滞在しやすくなります。
このように、歯並びそのものが歯周病に直接つながるわけではありませんが、「歯並びの問題で隅々までケアできない」という理由から、歯周病のリスクが高まるのです。
◆歯ぎしりのクセがある人
歯ぎしりや食いしばりのクセがある人も、歯周病が進行しやすい人です。
就寝時に歯をギシギシとスライドさせたり、集中しているときにグッと食いしばったりと、無意識にやっている人も多いため、気付かないこともあるかもしれません。
しかし、歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯を支える骨(組織)に大きな力を加えてダメージを与えるため、歯周病になりやすくなってしまいます。
◆口呼吸のクセがある人
長引くマスク生活により、口呼吸のクセがついてしまった人も多いかもしれません。
そもそも口の中は、唾液によって外部から入ってきた雑菌を消毒したり、汚れを流したりなどの作用があります。
しかし、口呼吸をすると口の中が乾燥して唾液が減少して雑菌が繁殖しやすく、歯周病悪化のリスクを高めてしまいます。
鼻呼吸であれば「鼻毛」や「粘膜」が空気中のチリや細菌・ウイルスを吸着して保護してくれますが、口呼吸はこれらの汚れを直接吸い込んでしまうため、免疫力低下の原因にもなります。
◆歯医者の定期検診に行けてない人
仕事や家事・育児が忙しく、なかなか定期検診に行く時間が取れない人も多いと思います。
しかし、歯医者での定期検診は歯周病や虫歯を早く見つけられるため、「悪化してから気づく」という事態を防ぐことができます。
毎日歯みがきをしている人でも、歯垢は残ってしまうもの。さらに、歯石になってしまうと歯みがきでは取れないので、歯医者で除去しなければ溜まっていく一方です。
歯周病の発症には痛みを伴わないため、何年も歯医者に行っていない人や定期検診に行く習慣がない人は、いつのまにか歯周病が進行している可能性があります。
◆糖尿病にかかっている人
意外に感じる方もいるかもしれませんが、「歯周病と糖尿病は合併症の1つ」といわれています。
実際に、感染症などの病気について調べる調査によると、糖尿病の人は糖尿病ではない人に比べて歯周病・歯肉炎を発症しているとの結果もあります。
歯周病と糖尿病はお互いに影響しあっていると考えられるため、一方を発症するともう一方の発症リスクを高めるといわれています。
参考:
日本臨床歯周病学会『歯周病が全身に及ぼす影響』
日本歯周病学会
歯周病を予防するためにできる3つのこと!
ここまで紹介してきたように、歯周病は口の中だけのトラブルではありません。
今だけでなく病気のリスクを軽減して健康的に過ごすためにも、歯周病を予防することが大切です。
ここでは歯周病予防につながる方法を3つ紹介しますので、ぜひ今日から意識してみてください。
◆丁寧に正しい方法で歯みがきをする
歯周病を予防するには、磨き残しをなくして口の中を清潔に保つことです。
できれば1日3回、1本ずつ「歯と歯」や「歯茎との間」を丁寧にブラッシングしていきましょう。
強く磨くと歯茎が傷つきますので、優しく小刻みに前側・裏側・断面の3方向を磨きます。
とくに、寝ている間は唾液が少なくなるため、就寝前は食べカスなどが残らないように歯間ブラシやフロスなども使って入念にケアしましょう。
◆生活習慣を整える
生活習慣も歯周病に関係しているため、日々の生活を見直すことも大切です。
とくに歯周病のリスクを高めるといわれる喫煙や過度飲酒、甘い食べ物や飲み物の取りすぎなど、生活習慣病を悪化させる行動があれば改善するように気をつけてみましょう。
また、ストレス発散として上記の行動をおこなっている場合は、運動を取り入れるなど他のストレス発散方法を探してみるのもよいかもしれません。
◆異常がなくても定期検診に行く
とくに口の中に違和感や異常がなくても、歯周病や虫歯が進行しているケースは多々あります。
そのため、自分では違和感がなくても、歯医者の定期検診には必ず行くようにしましょう。
定期検診では歯や歯茎のチェックをおこないますので、もし異常があればすぐに見つけて対処することができます。
できれば3ヶ月〜半年に1回くらいのペースで定期検診に行くのが望ましいですが、歯医者によっては次回の定期検診のタイミングを、ハガキなどでお知らせしてくれることもあります。
歯周病・虫歯予防は『小伝馬町歯科・矯正歯科』へご相談ください
歯周病は高齢になるほど発症しやすいものの、年代や性別に関わらず「なりやすい人の特徴」に当てはまる方は注意しなければなりません。
今回紹介したように歯周病から他の病気につながることもあるので、すでに発症している人は早めに治療しておきましょう。
また、現時点では異常がなくても、定期検診で自分の歯の状態を知っておくことはとても大切です。
『小伝馬町歯科・矯正歯科』では、大学病院所属の歯周病専門の先生や歯周病学会認定医が2人在籍し、専門性の高い治療を提供しています。
また、できる限り患者さまの大切な歯を残すことをコンセプトとしているため、一人ひとり最適な治療方法をご提案いたします。
すでに歯周病や虫歯の疑いがある方も、予防として検診を受けたい方も、当院へお気軽にご相談ください。