根管治療を途中でやめた場合どうなる?リスクや精密根管治療の重要性

「仕事が忙しくて、虫歯の治療を中断してしまった…」

歯科治療を受けている方の中には、通院する時間が取れず、治療を途中でやめてしまう方も一定数いらっしゃいます。
しかし、「根管治療」は中断すると、トラブルを引き起こしやすい治療の1つです。

今回は、根管治療を途中でやめた場合のリスクや、精密根管治療の重要性を解説していきます。

「あの時、治療をしていれば」と後悔しないためにも、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

目次

根管治療とは?

根管治療とは「歯の根っこ」の掃除と消毒をする治療です。
痛みをやわらげて、症状を改善することを目的とします。

虫歯の進行などを放置すると、神経や血管が入っている根管の周辺組織まで感染が広がってしまいます。
その場合、感染した神経を除去するために、根管治療が必要になるのです。

当然ながら、治療が完了しなければ、感染した細菌は根管の中に残るため、たくさんのリスクに繋がる可能性があります。

根管は、歯の基礎や土台となる大事な部分。

どんな歯科治療も中断するのは良くありませんが、とくに根管治療は途中でやめないことが重要です。

根管治療を途中でやめた場合どうなる?

ここからは、根管治療を途中でやめた場合に起こるリスクやトラブルをご紹介します。

虫歯や痛みの悪化だけではなく、中には深刻なトラブルに発展するケースもあります。 6つのリスクを、それぞれ確認していきましょう。

虫歯が進行する

根管治療を途中でやめるリスクの1つに、虫歯が進んで悪化することが挙げられます。
根管治療で汚染された神経を取り除くと、その時点で痛みが消えることも多いです。

しかし、虫歯菌を取り切れていなかったり、病変がそのまま残っていたりすると、歯の根っこの中で依然として感染がどんどん拡大します。

虫歯の範囲や本数を増やさないためにも痛みが消えたから」と根管治療を中断するのは避けましょう

痛みがひどくなる

治療を途中で放置すると、感染が継続して、痛みがひどくなる恐れがあります。
歯の根っこの神経が炎症を起こすと、場合によっては、夜眠れないようなズキズキした痛みに襲われることも。

根管治療は、根管内の炎症を解消し、細菌感染を完全に取り除くために行うものです。

中断したままの状態だと、たとえ痛みを感じなくなったとしても、病変は残り続けます。 そうすると、今度は根っこの先まで異変をきたします。骨を溶かしたり、全身的な感染を引き起こしたりと、重篤なケースに発展しかねないので注意が必要です。

糖尿病や心臓疾患のリスクもある

根管治療の中断によって、糖尿病や心臓疾患などのリスクも出てきます。

虫歯や痛みが継続すれば、炎症を繰り返して、歯周組織が破壊されていきます。
その場合、歯肉から血管内に細菌が侵入し、全身に多くの影響を及ぼすことになるのです。

実際に、歯周病が糖尿病や心臓疾患に関与する例など、さまざまな病気を引き起こすリスクが指摘されています。

また、平成30年実施の「第2回 永久歯の抜歯原因調査」では、約6,500人の抜歯患者を対象とした調査が行われています。
その結果、「抜歯の主原因」の第1位は歯周病(37.1%)第2位は虫歯(29.2%)であるとの報告が出ています。

ここから分かるのは、歯を失う原因の実に6割以上が、歯周病と虫歯であるということです。
根管治療を途中でやめるのは、歯を失うリスクにもつながるといえます。



参考:公益財団8020推進財団

参考:日本臨床歯周病学会

抜歯が必要な場合もある

根管治療を完了しないと、抜歯対応となる場合もあります。

適切な治療をせず病状が悪化すると、治療前よりも歯がボロボロになってしまい、最終的に抜歯に至るケースも少なくありません。
「治療途中の歯が折れてしまう」という事例もあります。

根管治療して神経を取り除いた歯の中は空洞になるため、通常よりも割れやすい状態になります。
歯が割れてしまえば、ほとんどの場合、抜歯するしか解決策がなくなってしまいます。

ご自身の大切な歯を守るためにも、最後まで治療を続けることが大切です。

必要以上にコストがかかる

根管治療を中断してしまうと、将来的に再治療が必要となる可能性があります。
そうなると、必要以上にコストがかかってしまいます。

再治療では、以前の治療における感染物質の取り残しの除去はもちろん、せっかく綺麗にした部位が再感染して、掃除や消毒をやり直すケースが多くみられます。

根管治療は1回の治療で終わるものではなく、地道に続ける必要がある治療です。
ある程度の時間と手間はかかりますが、完治するまでは辛抱強く治療を受けた方が、体にとってもお財布にとっても、負担が軽いといえます。

治療の成功率が下がってしまう

根管治療が適切に行われなければ、治療の成功率が下がってしまうこともリスクの1つです。
根管治療の成功率は、きちんと治療を完了した場合でも、残念ながら100%ではありません。

治療後に再発するケースも少なくないのです。
もしも根管治療を途中でやめてしまえば、当然ながら、成功率はさらに低くなってしまいます。

大切な歯を残すためにも、自分の判断で中断せず、根管治療をきちんと完了させることが大切です。

精密根管治療をおこなっている歯科医院を選ぶのが重要です!

根管治療は非常に難易度が高い治療です。
そのため、歯科治療の中でも、とくに医師の技術や経験が重要になります。

加えて「マイクロスコープ」や「歯科用CT」の使用、「ラバーダム防湿」を徹底して精密根管治療にあたっている歯科医院を選ぶことも、大切なポイントの1つです。

それぞれについて、わかりやすくご紹介します。

マイクロスコープ

マイクロスコープは、患部を数十倍の大きさで拡大できる設備です。精密な治療をするのには欠かせません。
根管内は複雑な構造をしており、暗くて見えづらいことが治療のハードルとなっていました。

しかし、マイクロスコープの登場によって、根管治療の精度は大きく上がりました。
肉眼で見るよりもはるかに精密な処置ができるので、近年ではマイクロスコープを使って精密根管治療を行なう歯科医院が増えています。

歯科用CT

歯科用CTを使うと、3次元的に根の形を診断できるため、より機密的に患部を把握することができます。

根管治療で求められる「歯根の先の炎症状態」は、CT撮影をすることで、従来のレントゲンよりも多くの情報を把握することが可能になりました。

歯科用CTがない歯科医院も多いですが、歯の根管の長さや幅を正確に測定するためには、導入が必須の設備だといえます。

ラバーダム防湿

もう1つ、精密根管治療をする上で大切なものに、ラバーダム防湿が挙げられます。
ラバーダムは治療中、唾液が入るのを防ぐゴム製のシートです。

治療する歯に装着することで、根管への細菌の侵入や感染を防ぎ、根管治療の成功率がアップします。装着に手間がかかるラバーダムは、日本の歯科医院では施術率は低いのが現状です。

しかし、根管治療を行う上では有効な処置だといえます。
再発リスクを大きく減らすには、ラバーダム防湿を徹底している歯科医院を選ぶことが、非常に重要です。

根管治療は途中でやめずに『小伝馬町歯科・矯正歯科』へご相談ください

根管治療を途中でやめてしまうリスクと、精密根管治療の重要性について解説しました。

「痛くなってから歯医者に行けば…」と考えて根管治療を放置することは非常に危険なことです。
根管治療が完了せず、ストップしている場合は、できるだけ早く再開するのがおすすめです。

小伝馬町歯科・矯正歯科では、大学病院レベルの医療機器を導入し、精密な根管治療を行っております。
精密な治療で成功率を上げるために、下記を実施しております。

ラバーダム防湿の徹底
顕微鏡やCTによる精密な診断や検査
ニッケルチタンファイルによる効率的な治療
抗菌作用のあるMTAによる根管充填

「治療を自己判断で放置してしまった」など根管治療でお困りの方は、ぜひ小伝馬町歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください!

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