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虫歯の進行で抜歯が必要なレベルはどれくらい?放置するリスクや治療法を解説

「虫歯を放置しているけど、歯を抜くぐらいまで進行していたらどうしよう・・」

虫歯を放置している方の中には、このような不安を抱えている方もいるかもしれません。

虫歯は菌が出す酸によって、歯の表面に穴が開いてしまう病気です。

身近な病気であることを理由に、虫歯に気づきながら適切な治療を受けていない人もいるのではないでしょうか?
しかし、虫歯を放置するリスクには歯を失うこと以外にも、全身に影響を及ぼす危険性があるので注意が必要です。



今回は、虫歯の進行レベルや抜歯が必要な虫歯、また放置するリスクや治療法までを徹底解説していきます!

「虫歯の治療で抜歯が怖い・・」と治療を敬遠している方も、虫歯が気になりはじめた方も、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。


歯を失う原因の29.2%は虫歯が原因・・放置するリスクは?

虫歯は、歯を失う原因の第2位の病気です。

厚生労働省の発表によると、2018年に全国の歯科医院で行われた抜歯原因調査結果では、第1位「歯周病」(37.1%)、次いで第2位が「虫歯」(29.2%)となっています。

歯の喪失のおよそ3割の原因が、「虫歯」にあるといえるのです。

さらに詳しくみると、抜歯の原因の第3位には「破折(歯が折れたり割れたりすること)」(17.8%)が挙げられています。

しかし、破折の主な原因は「虫歯により歯根の神経を取った」と考えられることが指摘されており、「むし歯由来」の歯の喪失は実に47%にも上るのです。

このことから、調査全体として歯を失う一番の原因は「虫歯」であることがわかります。

参考:厚生労働省『歯の喪失の原因』



虫歯の怖さは、歯を失ってしまうことだけではありません。

口の中は血管が多く、虫歯を放置すると菌が全身に回る恐れがあります。結果として、脳梗塞や心筋梗塞、その他の合併症を引き起こすなど、さまざまな病気に繋がっていきます。

虫歯の放置は重大な健康被害を引き起こしかねないので、「たかが虫歯・・」と思わず、早期治療することが望ましいでしょう。


虫歯はどのように進行していく?レベル別の症状や治療法

虫歯の進行具合は、大きく5段階に分類できます。

C0~C4まで数字が大きくなるほど重症度が上がり、一般的に、抜歯が必要なレベルはC3~C4だといわれます。
しかし、重症レベルの虫歯であっても歯根や歯があるかどうかで判断は変わってくるため、一概に抜歯するレベルとは言い切れません。

こちらでは、それぞれのレベルの「症状」や「治療法」を解説していきます。


◆C0~1:初期の虫歯

C0は虫歯の前兆、C1は表面のエナメル質が溶けはじめる程度の初期の虫歯です。

C0ではまだ穴は開いておらず、C1では黒ずんで小さな穴が開くものの、痛みなどの自覚症状はほとんどないため、本人が気づかないこともあります。

治療法としては、穴が開いていなければ削る必要がないので、フッ素塗布や経過観察となる場合がほとんど。穴が開いている場合には虫歯部分を削り、その後レジンと呼ばれる歯科用プラスチックを詰めて穴埋めをして終了です。

初期の虫歯では削る箇所もごくわずかなので、治療中に痛みを感じることもほぼありません。
しかし、進行する可能性が高く、注意が必要な段階です。


◆C2:軽度の虫歯(象牙質まで進行)

C2は菌がエナメル質を突破し象牙質まで進行した、軽度の虫歯です。

歯の表面に虫歯ができている状態で、冷たいものや甘いものがしみたり、噛む際にときどき痛みが出たりするといった症状があります。

治療法としては、虫歯に感染した部分を削り、詰め物や被せ物を作って削った部分を補えば完了です。
C2程度の虫歯であれば、長い期間を要さず治療が終わります。

しかし、象牙質に達した虫歯菌はあっという間に神経まで及んでしまう可能性があるので、痛みがないからと放置せずなるべく早く治療を受けることが大切です。


◆C3:重度の虫歯(神経まで進行)

C3は、菌が神経まで進行した重度の虫歯です。表面には大きな穴が開いています。

何もしなくても強い痛みに襲われたり、激痛を伴ったりするなど、とにかく痛みを感じることが特徴です。
他の症状には、歯がグラグラしたり、歯ぐきが腫れたりする場合もあります。


治療法としては、「根管治療」という神経を取り除く処置をおこないます。

神経の中まで菌が及んでしまうと、汚染された神経を完全に除去しなければなりません。

根管と呼ばれる神経の入っている管の掃除と消毒をし、仮歯を入れて歯型を取って、被せ物をするまでには、数回にわたる治療を要します。

C3は重度レベルの虫歯ですが、歯科医院で適切な治療を受けることができれば、抜歯を回避できる可能性があります。


◆C4:重度の虫歯(歯根まで進行)

C3と同じく重度の虫歯ですが、C4は菌が歯根まで進行しているため重症度が上がります。
歯全体が溶けてなくなり、歯の根っこだけが残った状態です。

症状としては、神経が死滅しているため痛みはほぼ感じませんが、歯の根っこの先に膿が溜まっていることが多く、ほとんどのケースで抜歯の判断となります。
治療による改善の見込みがない、保存困難な末期の虫歯といえるでしょう。

菌に感染した歯を放置すると、ほかの健康な歯にも影響が及びます。
歯ぐきの下の骨や顎まで菌が回ってしまった場合、全身の健康被害を損なう危険性が出てきます。そのようなリスクを減らすためにも、抜歯の必要があるのです。


虫歯により抜歯した場合どのような処置をするの?

虫歯により抜歯した場合、失った歯を補って、再び噛めるよう治療をする必要があります。

こちらでは抜歯後の処置として、3つの主要な治療をご紹介します。


◆インプラント治療

インプラントは人工の歯根を埋め込む治療法です。
インプラントと骨が結合したら歯を被せて、治療が完了します。

インプラント治療は手術により顎骨に歯根を埋め込むので、周りの健康な歯を削る必要がありません。
しっかりとした基盤ができるため自然に噛む感覚が得られることや、見た目の美しさもメリットとして挙げられます。

一方、保険適応外なので費用は高額になります。
素材にもよりますが、一般的にインプラント1本あたり30〜40万円程が相場です。


◆ブリッジ治療

ブリッジ治療は抜歯した両隣の歯を支えとして、橋渡しをするように人工の歯を設置する方法です。

隣の歯を削る必要はありますが、外科的手術がいらないので、インプラント治療に抵抗のある方にもおすすめです。
抜歯した部位や本数によってはブリッジ治療ができない場合もありますが、治療自体はシンプルで負担が少なく、治療後は自分の歯に近い感覚で噛むことができます。

自由診療だけでなく保険診療も可能なので、一般的にはインプラント治療よりも費用が抑えられます。


◆入れ歯治療

入れ歯治療は、取り外し可能な入れ歯(義歯)を使って歯を補う方法です。

部分入れ歯であれば、抜歯した前後の歯を少し削って入れ歯を装着します。
抜いた歯の本数が多い方や、健康な歯をできるだけ削りたくない方、費用面での負担を減らしたい方など、幅広く対応が可能です。
入れ歯もブリッジ同様に、保険診療か自由診療かで費用は変わります。

入れ歯は取り外し式であるため、寝る前には取り外して、毎日清潔にケアする必要があります。


小伝馬町歯科・矯正歯科ではできる限り歯を残すための治療をおこないます

虫歯の進行レベルや抜歯が必要な虫歯、また放置するリスクや治療法を解説してきました。

初期の虫歯であっても放置は厳禁ですが、特に内部まで菌が広がりはじめた歯は、加速度的に虫歯が進行していきます。

歯の神経や根っこの先まで虫歯菌が及んでしまえば、抜歯の可能性が高くなってしまいます…。
定期的に歯のクリーニングを受けるなど予防管理をするのが望ましいですが、虫歯に気づいた際にはできるだけ早く歯科医院で治療を受けることが大切です。

小伝馬町歯科・矯正歯科では、可能な限り、患者さまの歯を残すための治療方法をご提案しております。

最新設備の整った環境はもちろんのこと、各分野で研鑽を積んだドクターが在籍しているので、大学病院レベルの専門性の高い治療をおこなっております。

他院では「抜歯が必要」といわれた方や、「できるだけ自分の歯を残して虫歯治療したい」とお考えの方は、ぜひ一度、小伝馬町歯科・矯正歯科までお気軽にご相談ください!

秋葉原総合歯科クリニック
野村 聖一院長監修
経歴

2008年3月 昭和大学歯学部歯学科卒業
2008年3月 第101回歯科医師国家試験合格
2009年3月 臨床研修修了(昭和大学歯科病院臨床研修プログラム)
2009年4月 三好デンタルクリニック勤務
2014年3月 日比谷通りスクエア歯科クリニック 院長
2018年8月 秋葉原総合歯科クリニック 院長就任

学会/認定医

日本口腔インプラント学会 会員
OJ(Osseointegration Study Club of Japan) 会員
日本審美歯科学会 会員
DC21(Dental Concept 21) 会員
日本歯周病学会 会員
顎口腔学会 会員
日本矯正歯科学会 会員
ノーベルバイオケアメンターコース 修了
MICコース(インプラント) 修了
KIDSインプラントコース 修了
ARTコース(審美歯科治療) 修了
AIIコース(高難度インプラント治療) 修了
JIPI(歯周病治療)コース 修了